お風呂マリアリ
今日は魔理沙が泊まりにきたから、一緒にお風呂。
久々に魔理沙と入るお風呂。少しは期待したのに、どうしてこんな状況なのか。
さすがの私もこの状況には飽きれざる終えないと思う。
私の視線の先には湯船にぷかぷかと浮かぶ、金色の髪。
……湯船に沈む、彼女の姿。
「……なんでこんな状況になってるのよ」
思わず出たため息。こんな状況を目の前にしたら、誰でもため息が出るに決まっている。
先に入るぞー、なんて言って入って行った彼女。少しは照れてるのかな、なんて思った私がバカだった。
さて、どうしようか。
このまま魔理沙が息切れで出てくるのを待つか。それとも私が何か突っ込みを入れてあげるか。
「……このまま放置して出て行こうかしら」
思わず、そんな本音が零れ落ちる。
本当、どうしてこの子はこんな行動をとったのか……。
時々、いや、いつも魔理沙の行動は私からみれば意味不明だ。
今日だって、全然どうしてこうなっているのか状況が全く読めない。
……一番理解したいと思っている相手なのに、ね。
湯船にそっと手を入れる。
ちゃぷんという音と共に、湯船の中に浮かぶ金色の髪が揺れる。
「何してるのよ……ばか……」
湯船の中の魔理沙の頭に、触れる。
ねぇ、早く出てきて。どうしてこんな事をしたのか、私に教えて。
ブボッ
「ぶっはああああああああああああああ」
私の指が触れた瞬間、真っ赤になった魔理沙が飛び出してきて。
「ななななな、なんでそういう行動にでるんだよお前はああああああ!」
「え?」
それはこっちが聞きたいのに、どうして魔理沙から私がそんな事を言われなければならないのか。
「ふ、普通そんな反応じゃないだろ?!こう、普通ならこう!ああもう!なんでアリスはそう、私の予想外の行動ばっか……!」
「それは魔理沙でしょ?!なんで私が怒られなきゃいけないのよ!?」
「私は普通だぜ!」
「お風呂に潜って人を待ってるののどこが普通なの……?」
「いや、だってそれは……」
もじもじと急に言い難そうにそうにする魔理沙が少し可愛くて、ドキッとする。
言い合いをしていたはずなのに、こんな時までときめいてしまうだなんて、私は一体どれだけ魔理沙の事が好きなのか。
そんな自分に、思わずあきれてしまう。
「……普通にアリスを待ってるなんて、なんか恥ずかしいし」
真っ赤になって、ぼそぼそとそんな事を言う魔理沙がどうしようもなく可愛くて。
思わず、真っ赤になってしまう。魔理沙の方が、見れない。
「……そんな照れ隠し、反則」
「……アリスのさっきのだって、可愛すぎて反則だぜ?」
そんな魔理沙の言葉に、また、頬が熱くなっていくのを感じる。
こんな状態、もうお風呂なんて気分じゃないじゃない。
「……まりさのばーか」
そんな事をぼそりと呟けば、
「……ありすのばーか」
そんな風に、返ってきて。
思わず、二人同時に吹き出す。
笑って、笑って。
苦しくなるくらい笑って。
「風呂、入ろうぜ」
「うん」
一通り笑いあった後に、魔理沙の手をとった。
さて、最初は洗いっこから始めよう。
fin...
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