手を繋ごう





手を繋ごう。

「アリスの手、あったかくて好きだぜ」

そっと触れた手のぬくもり。
自分より少し低いその温度が凄く好き。

そっと唇を寄せて、口付けを落とす。
もうって、照れたようなそんな声が振ってきた。


手を繋ごう。

「アリスの手、すべすべしてて好きだぜ」

ゆるりと絡めた細い指。
自分より少し長いこの指を、絡めとるのが凄く好き。

感触を楽しむように握ったり離したりを繰り返す。
悪戯しないって、怒られた。


手を繋ごう。

「アリスが、好きだぜ」

きゅっと握れば弱々しく握り返してくれる。
そんなあなたの事が凄く好き。

少しの沈黙の後、バカって、ただ一言それだけ返してくれた。



後ろを向いたまま、きゅっと繋がるこのぬくもりは、
確かにあなたが傍にいる、そのサイン。



手を繋ぎ。

幻想郷中、どこまででも駆けて行こう。

からかわれても、笑われても。


「さ、出発だ!」


二人でなら、怖くないから。



手を繋ごう。

このままずっと、どこまでも。



もう、どこへ行くのよってアリスが言うから。
アリスとなら、行ける所までって答えた。



手を繋ごう。

この手が離れてしまう、その日まで。



fin...
2011.03.21. up.

第三回マリアリ文学祭への寄稿作品(ニコニココミュニティー内生放送企画)

かなり短い仕上がりw
最後の切なさ成分はどうしても入れたかったから入れた!
手を繋ぐって素敵だと思います。
手を繋ぐ、抱きしめる、キスをする。
この三つってめっちゃ素敵っ!

ご拝読ありがとうございました!

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